診療紹介

排尿困難、頻尿、尿が漏れる

尿が出にくい(排尿困難)、尿の回数が多い(頻尿)といった症状も様々な原因で起こります。男性では、前立腺肥大症、前立腺炎など前立腺の病気が原因になっていることが多く、前立腺癌の除外診断も場合によっては必要です。また、咳やくしゃみなど下腹部に力が入ったときに尿が漏れてしまう症状を腹圧生尿失禁といい、女性の方に多くみられます。神経因性膀胱といって脳梗塞や糖尿病などにより排尿の神経が異常を起こし尿が出にくくなる疾患もあります。排尿時の痛みを伴う場合は、膀胱炎や尿道炎などの尿路感染症を疑います。男性では精巣上体(副睾丸)の炎症を合併する事もあります。排尿前後の痛みや頻尿があり、その他の疾患が見られないときは間質性膀胱炎という慢性疾患の可能性もあります。

 

 

尿路感染症

膀胱炎は成人女性に多く、腸内細菌おもには大腸菌が膀胱に感染し、排尿痛や頻尿、残尿感などを来す病気で、抗生剤の内服が有効です。細菌がさらに腎臓に感染すると腎盂腎炎を発症し、高熱や腰背部痛が出現します。炎症の程度が高くなり入院が必要なこともあります。
男性の尿道炎は性行為感染症であり、淋菌やクラミジアの感染によることが多く、両方が合併していることもあります。本人はもとよりパートナーの治療も必要です。

 

急性前立腺炎は細菌が前立腺に感染して起こる疾患で、発熱や排尿困難が出現することもあり、炎症反応が高度の場合は入院が必要です。

 

細菌感染とは関係のない慢性前立腺炎では尿道や会陰部の不快感が出現し、内服薬により軽快する事も多いですが、再発しやすく治りにくい傾向があります。

 

小児で腎盂腎炎の発熱を繰り返す場合は腎臓・膀胱・尿道などの先天的な疾患が疑われますので、泌尿器科の専門的な検査が必要です。